設備配管における劣化には、主に管材の腐食による強度低下や堆積物などによる管内閉塞などがありますが、原因は多種多様です。劣化が複合的に進行することで早期に漏水事故や配管の詰まりなどのトラブルが発生することもあります。そのようなトラブルを未然に防ぐため、劣化状況を把握する目的で行うのが配管劣化診断です。
劣化の状況が様々であるため、調査方法も複数あり、それぞれ長所と短所があります。調査対象配管に適した調査方法を選定できなければ、必要な調査結果は得られず、調査自体が無意味なものになってしまうでしょう。また、調査を行う箇所数も重要であり、極端に少ない場合には診断結果の精度が落ちてしまいます。逆に必要以上に多過ぎても診断費用がかさんでしまい、修繕や更新の費用を圧迫する恐れもあります。
当社では、最適な調査方法や箇所を選定し、的確な診断結果を導くために、『建築設備の耐久性向上技術』(建設大臣官房技術調査室監修)に示される診断手法を参考としております。これは20年以上前に発行された書籍ではありますが、当社の技術顧問であった種田稔氏も参画し、官民共同で5年の歳月をかけた建設省の総合技術開発プロジェクト「建築物の耐久性向上技術の開発」における研究成果の集大成であり、配管劣化診断の手法から評価の基準までが細かく示されているものです。実際にこの書籍以降、官庁としても新たな見解を出してはおらず、劣化診断に関する書籍は発行されても、配管劣化診断の基準や手法については根本的に変わっておりません。そのため、現在においても配管劣化診断の基準書となっています。
それを基に当社では、四半世紀を超える配管劣化診断の経験と実績を加えた、費用対効果が期待できる提案・報告をさせていただいております。全社員が配管劣化診断に関する知識や経験を共有しており、特殊な劣化事例や漏水原因究明調査などについても対応可能です。その他にも、一般社団法人日本建築設備診断機構(JAFIA)の正会員として、配管劣化診断における研究や開発に参加しており、診断技術者講習などの講師を務めております。当社にご相談いただければ、「配管劣化診断のスペシャリスト」として建築物の改修計画の成功に貢献させていただきます。
配管の種類・設備状況・ご予算などを考慮し、最適な診断方法をご提案いたします。
非破壊調査は設備を使用しながらの実施も可能ですので、テナントや入居者に不便を強いることなく調査を行うことができます。ただし、非破壊調査は、間接的に劣化状況を把握する方法であるため、100%確実な結果を得ることができるとは限りません。さらに詳細を把握したい場合には、抜管調査(配管を切り取り、内部の状況を直接観察及び測定する方法)をおすすめします。
-
内視鏡調査
-
超音波肉厚測定調査
-
サンプリング調査(抜管調査)
-
テレビカメラ調査
-
X線調査
-
サンプリング調査(抜管調査)